2023年に入り、コロナ禍が世間的に明け始めたここ数カ月で白衣・襦袢の製造に関するお問い合わせが増えています。
コロナ禍・円高・資材高騰に起因する国内産業への回帰が発端と思われます。元々厳しい業界でしたがコロナ禍が経営に深刻な打撃を与え、小規模な工場は畳まれた所も多いです。
海外で生産をしている間は国内に仕事が無いので、その間は産業が育ちません。要は縫製作業者が育ちません。つまるところ、既に縫製出来る作業者はほぼいないと言っても過言ではありません。
この手の物は昔から内職作業者によって工賃・工数を抑えてきましたが、技術を持った作業者が高齢化により出来なくなった。内職が不要になった(勤めに行った方が賃金が良い)事が大きく、成り立たなくなっています。
その為、生産をするとなると内製化・工場内での生産しかありません。そうなると内職ベースでの工賃では生産は不可能となります。工賃で考えると内職ベースの数倍~は必要となります。
いかに早く作れるかが重要になりますので、特に技術と時間のかかる衿つけは落としミシンではなく、上から叩く方法を取るべきでしょう。ほとんどの方が落としミシンを希望されますが生産する側からいしますと難しいと言わざるを得ません。手間がかかりすぎる為です。何故それが出来ていたかと言うと、内職であれば幾ら時間がかかってもコストは同じだからです。
長くなりましたが、現状、白衣・襦袢の生産は行っています。ですが月産数十~数百が限界で、数カ月上がらない事もあります。それぐらい現状は厳しい状態です。